うなぎの旬は?

What is the eel season?

 

 
お客様より「うなぎの旬はいつですか?」「うなぎの旬はやっぱり夏ですよね。」と言われることがしばしばあります。
正直に申しますと、やっぱり秋から冬が一番おすすめです。これは、おそらくうなぎ業界のみなさんがこのよう思っており、ぜひともこの時期のうなぎを一度は食べてほしいと願っているのではないでしょうか?。
では、なぜ秋から冬にかけてのうなぎがおすすめなのでしょうか?
 
うなぎの身や皮が厚くなりうまみも増してくるからです。これは、夏と冬のうなぎを食べ比べていただければ明白です。
 
では、なぜ秋から冬にうなぎの身がしっかりしてくるのでしょうか?
 
それをお話しする前に、うなぎの流通について少しお話します。現在、日本で流通している養殖うなぎのすべては自然界のシラスウナギ(稚魚)を12月~4月ごろまでに河口や海で採取して、それを飼育して成魚に育て出荷します。ただし、日本のうなぎの一番消費するシーズンといえば、土用の丑の日を頂点とした夏場のみです。そのピークの需要に間に合うように、12月から1月ごろに採取したシラスウナギを、養殖業者さんは全力で育てて大きくします。こうした業者さんの甲斐あって、日本の夏場にうなぎが供給されているのです。
この時期のうなぎを新仔と呼びますが、身の質は、池入れからわずか半年と非常に短いがゆえに、身や皮は薄くうまみも薄いです。その半面、身は非常に柔らかく、小骨も気になりません。この新仔を好む方もいらっしゃいます。
 

 
そして、お盆を終えると日本中のうなぎの需要は急激に落ち、養殖業者さんはうなぎを少しづつ大きくして、調整しながら市場にうなぎが余らないよう出荷します。しかし、この消費のピーク以降のうなぎこそが、我々のおすすめしたいうなぎなのです。この時期のうなぎの身は、時間をかけて成長した分、身や皮は程よく締まり厚みもしっかりあり、焼いたときのうなぎの香りが非常によく、食べ応えのある身質です。
ですので、是非一度、冬場のうなぎを召し上がってみてください。
と、いろいろと申しましたが、食べたいときに食べるうなぎが一番おいしいのも事実です!まるかつでは、一年中うなぎが食べられます。

  
日本産うなぎ

秋から冬に食べる鰻のメリット。

Benefits of eating eel in winter

 

 
岡山のかば焼き

 
【1】待たずにゆったりした空間で食事を。
夏場は店内が混雑していたり、お料理が出てくるまで長時間待たされた経験があるかと思いますが、秋、冬、春とうなぎ屋は全国的にかなり空いているお店が多いです。
まるかつも空いてます。ですので、ほぼ並ばずに、待たずにおいしいうなぎが食べられると思います。
せっかくのうなぎですし、落ち着いた雰囲気の中で味わいたいですよね。
お店側も、ゆっくり和やかに食べていってほしいです。
 
【2】風邪予防、体力回復に夏場のスタミナ食。
暑気払いなど夏の食材としてのイメージが強いうなぎですが、ビタミン群が非常に豊富です。
冬場のかぜ予防や、かぜをひいた後の体力回復にも期待ができるとても優秀な食材です。風邪とは距離を置きたい受験生、妊婦さん、産後のママ、などにもおすすめしたいです。
 

うなぎ包丁の種類。

Types of kitchen knives

 

うなぎを裂くための包丁は、地方によって異なり4種類あります。江戸裂き、名古屋裂き、京裂き、関西裂き。ちなみに私は、関西裂きを使ってます。
たった一つの魚種に4種類もの包丁がある魚は、ほかにありません。
鱧の骨切りをする骨切り包丁、てっさ(ふぐの薄造り)を引くためのふぐ引き包丁と食材ごとに包丁を使い分けることは、和食の世界ではよくあることです。マイナーどころでは、すいか包丁、巻きずしを切るためだけの寿司切り包丁というのまであります。しかし、一食材に1種類の包丁があるくらいで、複数種類ある食材はうなぎだけでしょう。
ここからは、私の想像ですが。おそらく、昔の料理人も、いかにうなぎを上手に手早く捌けるかということに非常に苦心していたのではないでしょうか。そのような中で、各地方で料理人たちが試行錯誤の末、現在のような特徴的な4種類の包丁を生み出し、それらが今日まで生き残ったのでしょう。現代においても、うなぎを捌くのは非常に難しいです。氷漬けにして仮死状態にしても失敗することもあります。氷もない当時、天然うなぎをまな板に載せ、目打ちを打ってすっーーと裂くのは、相当な練習量が必要です。昔からうなぎは日本人に身近な食材であり、料理人を悩ませてきたのですね。

  

鰻包丁

 

国産と中国産の違いは?

How to identify eels

 

 
新鮮な鰻

  
毎日扱っている職人であれば、日本産と中国産の違いは見分けもつくと思いますが、正直難しいです。私も100%見分けがつくかと言われたら自信がありません。9割くらいは正解できそうですが。うなぎは、個体差が大きく、中国産のうなぎでも国産のようなものもありますし、逆も然りです。国産と中国産の大まかな違いといえば、身の柔らかさでしょうか。
中国産は、非常に柔らかく脂もしっかりあります。少ししつこいくらいの脂です。一方、国産はずしりと締まった感じです。
程よく脂がのっていますが、よく締まって硬すぎるということもたまにあります。価格は、中国産の方が一般的に少し安いですですが、中国産の需要が供給よりも上回ることがたまにあり、
こうなると突如、中国産の価格が国産よりも高くなるということもあります。どちらも、一長一短があり、そのお店のこだわり、判断でうなぎを提供しています。
 

うなぎの関東風と関西風?

Different eel cooking methods in each region.

 

 
鰻のかば焼き

  
うなぎの調理の仕方が少し関東と関西では異なります。関東では、うなぎを裂くとき背中の方を開くので背開き。関西では、腹の方から裂く、腹開きです。一説によると、関東は武家文化の影響から、腹開き=切腹をイメージするため、背開きになったと言われています。難易度では、どちらかというと背開きの方が簡単です。家庭でどうしてもうなぎを捌かないといけなくなったら、背開きをおすすめいたします。
また、焼き方も少し異なります。関東では、たれをつけずに白焼きをした後に、一度蒸して脂を少し落としてから焼きます。食感は、ふわっとした感じです。それ対し、関西では白焼きした後、すぐにたれをつけて焼きます。ですので、皮目のパリっ、サックとした食感が楽しめます。ちなみにまるかつは、背開き、蒸しの関東風です。
 

まるかつの歴史・背景

The history and location of the store.

 

 
その昔、まるかつの周辺の地域は、児島郡興除村・藤田村と呼ばれていました。締め切り堤防がなかった時代の話です。
児島湾に面していたことからシラスウナギが豊富に採れ、うなぎの養殖場がこの地域にもいくつかありました。しかし、締め切り堤防の完成、護岸工事、水田での農薬の使用や生活排水などによる水質の悪化によりシラスウナギは、次第に採れなくなり、興除村・藤田村のうなぎ養殖は廃れてしまします。実際、私の祖父も、うなぎの養殖を稲作のかたわら営んでいました。そのうなぎをお店で提供し始めたのが、当店のうなぎの始まりでした。
 
まるかつは昭和49年創業し、地域の方々のご愛好に恵まれ2021年時点で48周年を迎えます。

 
鰻のまるかつ

当店のうなぎについて

About our eel.

 

 
まるかつの鰻重

 
 
 
当店では安心安全、厳選した鹿児島県産・宮崎県産のうなぎを使用しています。
※入荷状況によっては、静岡県産を使用することもあります。
 
背開き〜白焼きの後に一度蒸しあげてから丹念にたれ焼きしております。
たれは、創業以来、継ぎ足しながら大切に守られてきたまるかつの宝です。
素材、技、全ては、お客様の『美味しい』にたどり着く大切なプロセスだと、まるかつは考えています。